群馬がん治療技術地域活性化総合特区
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スペシャルインタビュー

群馬大学大学院理工学府長・理工学部長 篠塚 和夫

「医理工連携」による医療イノベーションに貢献する人材を育成

篠塚 和夫近影
 群馬大学大学院理工学府長・理工学部長
篠塚 和夫

■理工学部は機織りで栄えた街・桐生にあります

群馬大学理工学部のルーツは明治29年(1896年)までさかのぼることができます。日本の基幹産業であった繊維産業の中心地桐生で、「化学」と「機械」の学問が芽吹き、そこで育った先進の技術者たちは、19世紀末から現在に至るまで、我が国の発展や復興に大きな貢献をしてきました。

現在は、テクノロジーが凄まじい速さで進化し、情報はボーダレスで行き交っています。当学部では、平成25年度の大幅改組を契機に、豊かな学識や実践力、行動力をもち、また他国の技術者・研究者と渡り合える国際性をもったエネルギッシュな理工系人材の育成に、これまで以上に力を注いでいます。

■激しい国際競争のなかで、医療産業の推進力として求められる理工学部の役割とは何でしょうか。

研究棟外観

「医療現場は機械だらけだよ」とは、あるお医者様の言葉ですが、現代の先進医療を成り立たせている、医薬品、試薬、診断検査機器、手術器具などは、まさに理工系の技術が貢献できる領域です。しかし、基礎研究では世界をリードする一方で、それを応用した医療機器開発では立ち後れが目立ち、外国製品の大量流入を許しています。理工学部では、がん特区のプログラムの一環として「低酸素組織イメージング技術の開発」に取り組んでいるほか、医学部と連携して「医科学系国際競争力の強化」「医療イノベーションに対応できる専門的人材の育成」を推進しています。医理工の連携は、国内の理系大学のこれからのトレンドとなって行くでしょう。

医理工、あるいは産学官の連携で生みだされる技術は、「創薬」医療機器」「医療技術」「医療素材」など多岐にわたり、それぞれが大きな産業に育つ可能性を秘めています。グローバル化を進め、日本発の医療イノベーションを実現させたいです。

■医理工連携・産学官連携の難しさは、どのようなものでしょうか。また、その課題克服にむけ、どのような指導をなされますか。

画像:授業風景
 授業風景

画像:研究風景
研究風景

各方面との連携作業で、なにが成否を左右するか。意外と注目されないのですが、関係者間のコミュニケーションが鍵を握ると思っています。学者であっても、人間としてのコミュニケーション能力を高める必要があります。また、研究者の性質として、知識は深く掘り下げられていきますが、それにつれて、かえって視野が専門分野に限られ狭くなりがちです。異分野との交流は、新しい視点をもつチャンスでもあります。

連携の成功例はどうでしょうか。私が見たところ、ニーズ(需要)とシーズ(技術の種)がうまくかみ合っている場合が多いように感じます。この相性が良いと、相互作用で新しい発見につながるかもしれません。4者5者を結びつける、専門コーディネーターの存在も重要だと思います。

■特区の取組がスタートしました。理工学系研究者の未来像をどのように描きますか。

がん撲滅は人類共通の課題です。根治治療、検査、試薬作成、治療後のQOL向上など、私たちが関わるレベルはさまざまですが、がん治療に参加できるということは、研究者にとって、大きな使命を感じる瞬間だと思います。これからの日本をリードする技術者・研究者の育成を行う教育研究拠点としての自負を忘れないようにしたいです。