群馬がん治療技術地域活性化総合特区
群馬県
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群馬がん治療技術地域活性化総合特区とは

ご挨拶

知事近影

群馬県知事 大澤 正明

群馬県は、平成25年9月に「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」として県全域が指定されました。現在、総合特区計画に基づき、群馬大学の重粒子線によるがん治療技術を中核にした医療産業拠点の形成に向けた取組をスタートしています。この総合特区の指定を契機に、医工連携により「医療産業」へ挑戦する事業者の方もいらっしゃるなど、県内に「医療産業」への期待が高まっていると感じております。

本県は、自動車関連産業、電気機械産業で培った高い技術力を有する「ものづくり企業」が高度に集積していることが特徴であり強みとなっています。また、首都圏に位置し、首都圏と北陸・信越・東北を結ぶ新幹線や高速道路といった高速交通網も整備され、災害リスクも少ないといった魅力も有しています。このような地理的優位性から、工場立地件数も全国上位を維持し、近年は東京圏のバックアップ機能も期待されております。

また、「医療先進県」も目指しており、医療水準向上・健康増進に向けた取組も積極的に進めています。特に、「がん対策」については、「群馬県がん対策推進条例」を制定するなど、総合的な取組を行っています。平成22年から稼働している世界最先端の「重粒子線治療施設」も、がん対策の一環として、県・市町村・大学の共同事業として群馬大学に設置したもので、がん治療で大きな成果を上げ、国内外からも注目されています。

こうしたことから本県では、この群馬大学を中心に研究開発が進む最先端のがん治療技術と本県の強みである「ものづくり企業」の高度な技術力を活かせる「医療産業」に着目し、その振興に取り組んでまいりました。このような取組も評価され、今回の総合特区の指定につながったものと考えています。

今後は、本特区の計画に基づき、産学官・医療機関・金融機関が一体となって、がん治療に関する研究開発や医療人材の育成を進め、本県から国内外に革新的な「医療技術」、「医療機器・医薬品」と高度な「医療人材」を提供し、世界的な課題である「がんの克服」に貢献してまいりたいと考えています。さらには、このような取組を通じて、幅広い医療産業の集積を進め、本県の地域活性化と経済成長にもつなげてまいります。

事業者の皆様、医療関係者の皆様におかれましては、このような本特区の趣旨にご理解をいただき、本県における医療産業拠点の形成に向け、積極的に「医療産業」や「医療研究開発」に挑戦していただけることを期待しています。

 

群馬大学長近影

群馬大学長 高田 邦昭

デジタル技術を基盤とした情報通信技術の急速な発展には驚くべきものがあり、ものづくりを基盤としてきた日本の産業構造にも変化が起きようとしています。一方で高齢化にともない、健康長寿社会をどのように実現するかが急務と言えます。群馬県には自動車関連産業を中心とする、裾野が広く高度なものづくり産業が集積しています。群馬県次世代産業振興戦略にもあるように、この産業基盤の上に、新しい切り口から医療イノベーションを興し、健康長寿社会を支える医療産業を展開することが期待されています。

重粒子線照射によるがん治療は日本発の画期的な技術です。群馬大学には、重粒子線照射装置が日本で三番目に設置されました。小型で実用的なものとしては最初のものとなるこの装置は、大学病院では日本で唯一設置されたもので、群馬県と県内市町村のご支援のもとに完成しました。平成22年にがん患者さんの治療を開始して以来順調に稼働し、平成25年度末までには1,000名を超えるがん患者さんを治療しました。昨年には外国人のがん患者さんの治療も開始しました。さらに、博士課程教育リーディングプログラムによる重粒子線がん治療に関係する高度人材育成や、周辺機器や照射法の研究開発も進行中です。

群馬大学では、重粒子線をはじめとする放射線療法、様々な化学療法、先進的な手術など、多彩なオプションの中からベストな方法を選択することを可能とするがん治療や、それを支える画像診断機器の開発、さらには医療情報基盤整備など、広くがん治療とその周辺技術の研究開発や人材育成を行い、がん治療における総合的な体制整備を図っています。

昨年末に文部科学省が行った全国の国立大学医学部のミッションの再定義においても、群馬大学医学部は、「最先端の研究・開発機能の強化」、特に「重粒子線治療を始めとする先進医療・がん治療技術の研究開発」が大きく取り上げられています。

医療機器や医薬品の開発にあたっては、臨床試験が欠かせません。群馬大学医学部附属病院では、臨床試験部を中心とした臨床研究や治験の体制を整備し、活発に活動を行ってきました。昨年には厚生労働省から全国で15ある臨床研究中核病院の一つとして指定を受け、研究と臨床をつなぐ機能の更なる強化を図りつつあります。

このように群馬大学では、重粒子線照射施設を核として、総合的ながん診療、研究開発、人材育成の体制が整いつつあります。医療機器の開発にあたっては、アイデア段階から産業界との密接な関係が必須です。群馬県のものづくり産業の基盤は、医療機器の試作から量産まで、非常に重要な役割を果たすことでしょう。今回の群馬がん治療技術地域活性化総合特区の指定によって県内の教育機関・医療機関・研究施設の力が結集され、地域における真の産官学連携と新産業育成へとつながって行くことを確信しています。